封印されていた愛

きよすけの父は私が社会人2年目の年に亡くなった。

小さい頃から長期出張が多く、いっしょに遊んだ記憶はあまりない。

ただ、休みになると家族旅行に良く連れて行ってもらってた。

そんな父の趣味が版画を作成することで毎年年賀状はいつも色鮮やかな風景画を刷っていた。

その年賀状を母は毎年家の壁に飾りコレクションにしていたのだが、きよすけは全く気にしたことはない、見慣れた自宅内の風景だから。

昨日のことである、母が突然きよすけ専用のマニアックな部屋に入ってきた。

母 「きよすけ、あなたは父親にとても愛されていたのを知っている?」

40過ぎたおっさんに何を言っているのだ? ボケたのか?と思った。w

きよすけ 「はあ?今頃何を言っているの? マジで恥ずかしいんだけど」

母 「壁にお父さんの版画を飾っているの知ってるよね? 毎年年賀状の為に刷ってた風景画」

きよすけ 「知ってるけど、詳しく見たことないね、版画に興味ないし。」

母 「あの中にあなたへのメッセージが書いてあるの知らないんだ? お父さんからあなたへ愛のこもったメッセージ」

きよすけ 「へ? 風景画だよねあれ? 文章が書いてあった? 文章を版画にしたの?」

厳格で無口な父とあまり話をしたことがない、あの父が俺へのメーッセージ? ありえんわ

急いてコレクションを見てみたら沢山ある風景画の中に一つだけ文章が書いてある。

それは昭和51年と書かれた年賀状だった。

少し恥ずかしいがほぼ原文を載せてみる。

「きよすけが2さいになりまちた、とてもすくすくそだっていまちゅ、みじゅくなパパとママだけどかわいいきよたんのためにがんばりまちゅ」

・・・・・なんだこれ? 風景画に書き込む文書か? なんともミスマッチな・・・しかもあの父が赤ちゃん言葉って・・・信じられん。

まあ父も若い時があったと言う事か、この時は20代だし。

でも40年前に彫刻刀で削って書いた文章・・・ちょっと感動したけどきよすけの方が照れるわ。

・・・・んんん? ちょっと待て! 変な記憶が蘇ってきた!

これと同じ文章の年賀状をきよすけも書いた気がするw しかも同じ赤ちゃん言葉でw

○○が○さいになりまちた、しんちょうが○○㎝でちゅ・・・・・ってやつw

自分の子供の成長が嬉しくてw

きよすけ、そしてきよすけの父・・・同じことしてるじゃんw

受け継いでるw

この愛をきよすけの子供にも受け継いでほしいと思った一時でした。

ではまた、きよすけより

備考 今回の登場人物に会社内の人達が出てきてません・・・会社のブログなのに申し訳ない。心温まる出来事だったので皆さんに紹介したかったのです。

 

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