S馬氏、第2章(続き)

着席したと同時に私の中に装備されている危険度センサーが目盛りを振り切りアラームが鳴りっぱなしの状態になる。

危険度センサー 「特殊な磁場が発生しています。至急退避してください。」

私の心 「待て、私は社長をお助けする為に自分からS馬フィールドに進入したのだ。少しだけ辛抱してくれ」

とセンサーをなだめ笑顔で商談する。

しかし、魅了されないと心に誓ったはずなのにS馬フィールドの効果は強烈すぎた。段々意識が朦朧とし瀬川社長と共にS馬氏の話術に魅了されていく、そして追い討ちをかけるようにS馬商法の第2段階(S馬リンク)が発動。

もう逃げられません。

(S馬リンクとは: 言葉をリンクさせ、買ってほしい商品を売り込むこと。)

私は薄れ逝く意識の中で社長に謝罪した。

「申し訳ございません。お助けすることができませんでした。」

すると社長の心の声が聞こえてきた。

「別にいいんだ、お前では太刀打ちできない、どの道、瀬川食品はH昆布海産様に助けてもらわなければ生きていけないんだ。」

あとはS馬商法の第3段階を発動するのみとなってしまった。

ああ、また羅臼を購入することになるのか・・・

S馬氏はニコニコしながら術中に落ちた2人を見守る。もういつでも第3段階を発動できる状態というのは自然に笑みがでるらしい。

しかし発動させようとS馬氏が鞄に手を伸ばしたその時、意外なことが起こった。

金縛り・意識朦朧・魅了という3重苦の状態だった瀬川社長が奇跡的に少しだけ意識を取り戻し、「鞄に手を入れないで!」と、か弱い声で何とか叫ぶことができたのでした。

S馬氏は突然の声にびっくりした様子でした。今までに、ここまで魅了し意識を取り戻した人はいなかったのでしょう。あまりの衝撃にS馬フィールドが解除され私も現実の世界に戻ることができたのでした。

正直、危なかった。第3・4段階は私達みたいな弱小の企業では回避不可能な技です。どうして社長の意識が取り戻せたか考えてみると、S馬氏は瀬川担当の最後の仕事だからと思い無意識に温情(慈悲)を与えてくれたからではないだろうか。来月からO氏に代わるとのこと。

S馬さん、長い間、瀬川食品をご贔屓にして頂き本当にありがとうございました。もうブログに登場することがないかもしれないと思い2回に渡り書かせて頂きました。この業界にいる以上、またどこかでお逢いすることがあると思いますがお元気でお過ごしください。 

最後にもう一度、本当にありがとうございました。

ではまた。

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